保健師やめます。私が行政保健師をやめた理由。
私は、昨年の3月まで小さな市役所で保健師として働いていました。
就職して数年経ち、「新しいステップに進みたい!」と思い退職にいたりました。
…と格好良く言えたらよかったのでが、そんなわけもなく、
正直に言うと、「仕事が大変だったから」です。
このブログに目を留めてくださった方の中には、「行政で働きたい!」と思っている方もいらっしゃると思います。
保健師の仕事は楽しいと感じる場面もありますが、反対にとてもしんどいと思う場面もたくさんあります。
「公務員で夜勤もないから看護師より楽なんじゃないか」そう思われている方もいらっしゃると思います。
恥ずかしながら私もその一人でした。
私自身、保健師の仕事を甘く捉えてしたので就職してからしんどい思いをしました。
このブログを読まている方には、そんな思いをしてほしくないと思うので、
私が働いた数年間の様子を皆さんにお伝えしたいと思います。
◯基本情報
・小さな市役所で数年間、保健師として働く。
・私の働いていた市では地区担当制を取り入れていました。
・母子保健や成人保健など区別はなく、いろんな業務に従事しました。
◯業務内容
・妊娠届出時面接 ・赤ちゃん訪問、新生児訪問 ・乳幼児健診 ・両親学級、育児教室 ・発達相談
・特定保健指導 ・成人健康相談 ・がん検診 ・精神健康相談 ・妊婦から高齢者まで電話訪問、訪問 等
(すべてを記入していたらきりがないので、割愛させていただきます。)
◯一週間のスケジュール
曜日 AM / PM
月曜日 赤ちゃん訪問 / 事務作業
火曜日 育児教室 / 精神健康相談
水曜日 妊娠届出時面接 / 幼児健診
木曜日 事務作業 / 幼児健診
金曜日 乳児健康相談 / 事務作業
土曜日 両親学級
これは忙しい時の一週間になります。
健診や教室、どの事業のあとにも記録がついてきます。
記録というのは、お母さんや市民さんと話した内容を細かく書き記していくことです。
市役所はアナログなので、すべて手書きで記します。
そしてこの記録が後々とても大切になることもあります。
例えば、ある家庭で虐待があったとなれば、いつ妊娠届けに来て、子どもに予防接種、健診は受けさせているか、何か気になることはなかったかなど、今までの記録をすべて確認されます。
子どもが小学生、中学生になっても記録は残ります。
なので、この記録というのはとても大切な業務になります。
めちゃくちゃ時間がかかるので、大変です。
それから、事務作業では、健診や教室、訪問の準備、処理を行っています。
どの事業でも、参加した人数、欠席者数、それから参加者へのアンケートなどを取ります。
これは、市や県、国に報告をするためです。
事業をするには予算が必要になります。
その予算は正しく使われたという報告のためにも統計を残しておきます。
若手の頃は、席にいることは少なく、訪問や出先の施設にいることが多いと思います。
そのため、記録や事務作業は業後にすることが多かったです。
経験年数が上がってくると事務作業がさらに増えてきます。
保健師は統計も大事な仕事になりますので、パソコンに向かう時間も多いです。
近年では、新型コロナウイルスの影響で様々なところで変更を強いられています。対策を考え、準備するだけでも時間を取られてしまいます。
また、今まで都道府県が行っていた業務が市町村におりているので、市町村はさらに大変だと思います。
残業は場所によると思いますが、私が働いていたところは当たり前にありました。
公務員だからといって定時には帰れなかったですし、残業代がもらえるとは言い切れません。
私の務めた市役所は独自ルールがありました笑
22時退社、昼休憩は10分、お昼を食べていても妊娠届があれば対応する。
正直、毎日時間に追われていましたし、生きた心地がしませんでした。
しかし、他の市町村の保健師さんに聞くと、「そんなことないよ〜」と余裕そうな声を聞きます。
務める市町村や上司の考え方によって、QOLが全然違います。
就職先を決めるときは、有給消化率や残業時間の確認。
それから、もし、知り合いがいたら内情を必ず話を聞くことを強くおすすめします!
みなさんには素敵な行政ライフを過ごして欲しいです!